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戦争法廃止をめざす東大有志の会のブログです

玉木雄一郎国民民主党代表への要請文

2019年8月3日

国民民主党代表 玉木雄一郎殿

戦争法廃止をめざす東大有志の会

〒113-0033

東京都文京区本郷7-3-1

東京大学職員組合気付

(代表 小森 陽一)

 私たち「戦争法廃止をめざす東大有志の会」(発足時は「戦争法案に反対する東大有志の会」)は、2015年6月に発足以来平和憲法の骨格を壊す「改憲」に反対してきました。そして各国政選挙では戦争法廃止と平和憲法を守ることを政策に掲げる野党の共闘を応援してきており、今回の参議院選挙でも一刻も早く安倍政権を退陣させるため1人区での野党統一候補を応援しました。

 さて、参院選後の7月25日のインターネット放送「文化人放送局」の番組で、貴職が憲法改正に向けた国会での議論に応じる考えを表明されたことが報道されました。また貴党幹部が改憲勢力である日本維新の会参議院統一会派を組むことを申し入れたという話も流れています。

 これまで安倍政権は国会内一強のもと、多くの国民の反対の声を無視して「共謀罪法案」、「カジノ法案」、「水道民営化法案」、虚偽のデータに基づく「高度プロフェッショナル制度(=残業代ゼロ制度)」等私たちの言論の自由や平和な暮らしを脅かす悪法の採決を次々強行してきました。

7月30日萩生田自民党幹事長代行が衆議院議長を代えてまで、改憲の議論を前に進めたいと発言をしたと報道されています。また以前にも同氏は憲法審査会を「ワイルド」に進めると発言しています。

これらのことから、ひとたび憲法改正議論に乗ったら十分な議論などすることなく強行採決という出口が待っていることは貴職もよくご存知のはずです。そして国民投票になれば、大量の改憲賛成CMを流されて、世論が誘導されることは目に見えています。こうしたなかでなぜ憲法議論の土俵に乗るのでしょうか。

今回の参議院選挙にむけて貴党も合意された市民連合の13項目の政策協定には、1番目に「安倍政権が進めようとしている憲法『改定」』とりわけ第9条『改定』に反対し改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと」と明記されています。安倍政権が政権を上げてなりふり構わず選挙を戦ったにもかかわらず、参議院改憲勢力が3分の2を割る結果となったのは市民と野党の必死の努力の成果以外の何物でもありません。

そもそもこの政策協定は、各党それぞれの政策の相違がある中、選挙で安倍政権に勝つため各党の政策とすり合わせ、議論を重ね決定したもので、その過程も含めて、非常に重いものであるはずです。

この政策協定があったからこそ、安倍政権の暴走を止めてくれることを切望し自身の支持政党を脇に置いて貴党所属の候補へ投票した選挙民にとってはあまりに酷い裏切りであり、公約違反そのものではないでしょうか。

また寝食を忘れ、候補当選のために必死で活動した支援者にはどのように説明されるのでしょうか。

元々「改憲」」は国民の側から出てきたものではありません。現在でも国民の中で「改憲」を望むのは少数です。選挙直後に行った世論調査共同通信7月22・23日)でも「安倍内閣が優先して取り組むべき課題」という質問で「憲法改正」と答えたのは最下位の6.9%であり、「朝日」(7月22・23日)でも「安倍首相に一番力を入れてほしい政策」という質問では「憲法改正」は僅か3%で最も低い結果でした。

以上、貴職におかれましては斯様な民意を真摯に受け止め、合意された政策協定を遵守し、国民の切実な要求の実現に向けて取り組むこと、そして「改憲論議への加担」については再考することを強く要請するものです。