書籍紹介:角川新書「横田空域」/吉田敏浩著
角川新書「横田空域--日米合同委員会でつくられた空の壁」 吉田敏浩著、KADOKAWA、2019/2/9出版
ISBN 978-4-04-082232-7
<会員 I さんの紹介文より>
お薦めする理由
同書は麻布ヘリ基地問題を入口にして、日本の広範な空域が米軍のやりたい放題に支配されてしまっている大きな問題を明らかにしていることです。
「米軍基地問題」というと多くの人は沖縄や横田などの基地周辺の住民だけが受ける被害の問題と考えがちです(実は私もそうでした)。
しかし実はもっと広範な範囲の人々が被害を受けていることや、そもそも自国の上空を飛ぶのに外国軍隊の許可を得なければならないという極めて異常な状態が70年以上も続いているという大問題に改めて気付かせてくれます。
さらに、同書後半ではおなじ同盟国のドイツやイタリアでは国内法で米軍を規制できている実例を比較し、独立国としては当然のことができていない日本の現状をどこから変えていくべきかの方向性を、全国知事会が日米地位協定の改定を求めた昨年の画期的な動きにもからめて、提言していることです。