Grassroots_movement

戦争法廃止をめざす東大有志の会のブログです

パレスチナ問題 「全員参加型秩序」=どんな小さな国でも国際社会で発言できる時代に変わる

パレスチナ問題 最近の状況

国際刑事裁判所ICCのカーン主任検察官が5月20日パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡りイスラエルのネタニヤフ首相やイスラム組織ハマスの指導者らの逮捕状を請求した。ネタニヤフ首相:意図的に民間人の殺害を支持、戦術として飢餓を引き起こしたこと、ハニヤ氏ら:民間人の殺害人質の拷問などが戦争犯罪だと指摘。

フランス外務省は20日遅く、ICCと「刑事免責に対する戦い」を支持すると表明した。同省は「フランスはICC、その独立性、そしてあらゆる状況下での刑事免責に対する戦いを支持する」との声明を発表した。バイデン米大統領イスラエル当局者に対する逮捕状請求は「言語道断」と非難したが、フランス外務省は異なるスタンスを示した。(ロイター、2024年5月21日)

ブリンケン米国務長官は21日上院の公聴会ICCに対して米議会と連携して「適切な対抗措置をとる」考えを示した。公聴会で市民はブリンケン氏に抗議。与党民主党の進歩派からは逮捕状を支持する声も出ている。(しんぶん赤旗、2024年5月22日)

国連パレスチナ難民救済事業機関UNRWAは21日パレスチナ自治区ガザ地区南部の街ラファでの食料配給について、支援物資の不足と、現地での安全を確保できないことを理由に停止されたと発表した。

国際司法裁判所(ICJ)は24日ラファを含むガザでの人道状況悪化を指摘、ラファへの攻撃の即時停止を命令。その直後にイスラエルはラファを攻撃。

寺島実郎サンデーモーニング 2024年5月26日)

 中東で進行していることの本質は何かというと、大国の横暴によって揺さぶられてきた中東が埋め込まれてきた地域パワー、例えばペルシャのイランとかオスマン帝国の栄光を背負っているトルコがひたひた力をつけてきている。戦後になって大国の横暴の象徴として出来上がってきたイスラエルという存在が非常に今問われ始めている。

  そこでよく国連は無力じゃないかという議論に行きがちだが、この1ヶ月の動きを見ていると新しいうねりを感じる。一つは国連総会でパレスチナを国家として承認する提案に143カ国が承認した。またICJがラファへの攻撃をやめろと停止命令をだした、これ執行能力がないじゃないかという人がいるが、国際世論の中に静かに進行している、世界が大国の横暴とか極構造(中国とアメリカの戦い)とかの分断ではなく、「全員参加型秩序」=どんな小さな国でも国際社会で発言できる時代に向かって21世紀が変わるという事を象徴的に示していると思う。